8月28日 鈴鹿ロード2004。
毎年8月の終わりは『鈴鹿ロード』である。
もうこれは、自転車乗りの間では、ほぼ常識だ。(知らんけど)
天下のシマノさんが主催する、夏の終わりを締めくくる、ロードバイクの祭典。
ぶっちゃけ、日本最大の自転車イベントである。
いや、ホントに。
そういや、キヨシローと共に走ってから、もう一年たつんだなぁ・・・。
というわけで、今年も鈴鹿である。
(これは、去年、鈴鹿を走り終えた時に、もう決まっていた事でもある。)
去年は、2時間チームエンデューロにソロで参加し、274人中81という、僕なりにはすばらしく、世間的には微妙な成績を残しつつ、今年も2時間エンデューロのソロに出ようかなぁ・・と思っていたら、何と、鈴鹿は今年からソロのカテゴリーが無くなってしまっていた。
しかし、2時間チームエンデューロは、一番の人気種目。
やはり出ておきたいので、今年は、新人エガガとアノ御方も引っ張り込み、当日HPのライターの仕事も兼務するキャプテンT野との4人でチーム参加する事にした。
というか、684である以上、やはり鈴鹿は必須項目であろう。
チームエンデューロとは、まあ、簡単に言うと、リレーである。
2時間耐久レースと言った方がわかりやすいかもしれない。
2時間の間、各チームの選手が交代で走り続け、タイムを競うのである。
つまり、4人で出るとなると、単純に一人頭の走行時間は30分。
鈴鹿は、一周5.824キロ。
一人15分とすれば、一人2周しか回ってこない。
わざわざ鈴鹿まで行ってそれではちょっと物足りないので、個人の種目にもエントリーする事にした。
日本最大のイベントと言うことは、つまり日本最高のロード乗り達が集まる・・・かどうかは知らないが、これだけ集まるという事は、実際走ってみると、現在のアマチュアロード界の中で、自分がどの辺の実力なのかは、たちどころにわかってしまうのである。
僕とキャプテンT野は、オープン2(中級クラス)に。
で、どうせだったら、本格ロードの世界を肌で感じでいただこうと、エガガとアノ御方も大して説明もせず、勝手に、オープン1(初級者クラス)にエントリーをした。
実は、その下に『ビギナー』というクラスもあり、彼らは間違いなくソコなのだろうが、まあ、ちょっと揉まれてみましょうよ・・・と。
というか、そっちの方が面白そうかな・・・と。(笑)
当日、朝2時半起床。
車がないので、レンタカーである。
単車にて、三宮の24時間営業のレンタカー屋に向かい、3時50分に日産バネットのバンをレンタカーし、一旦帰宅。
自転車と荷物を積み込み、大阪でエガガとアノ御方をピックアップしで現地に向かった。
実は当日前、ホントはもうあまり言いたくもないのだが、またも強烈なマイナスパワーが僕の身の回りで発揮されてしまっていた。
本日応援担当で同行の予定だった『つっち』さんが、何と、この数日前に骨折。
テツヤ氏に続き、立て続けに我々のイベントに参加予定の方の骨折に、僕は、キャプテンT野よりマイナスの貴公子改め、マイナスの気孔師『マコ様』の称号が与えられ、半径5メートル内に近付くのも危険な存在になりつつあった。
ここまで来ると、もうかなり笑えないのである。
台風も近づき、現地の天気予報は雨。
もう、恐らく、誰もが確信していたに違いない。
今日のイベントで、必ず誰かが落車するだろう・・・と。(雨のレースほど危険なモノはないのである。)
そして、たぶんそうなると、無事では済まされないだろう。
かろうじて、それが自分でない事を、全員秘かに祈りつつ、土砂降りの名阪国道を抜け、鈴鹿サーキットに着いたのは8時半頃だった。
ところが、天気予報を覆し、何とお天気は曇り時々晴れ。
もう仕事モード全開のT野と合流し、エントリーを済まし、ゼッケン、計測チップ等を取りつけ、まずは僕とT野のオープン2である。
時間が少しあったので、自転車に乗って、鈴鹿の田園地帯を流しつつ、アップ。
秘かに、やる気は満々だ。(笑)
オープン2は、ロードのカテゴリーで、15歳以上、トータル3周17.5キロ。
こういう高速系のレースは、実は、出るのは初めてである。
集団の中では、エキサイトした選手達によって『どかんかい!ボケ!!』『どこ走っとんじゃ!!』『追え!コラ!!』などの怒号が飛び交うらしい。
う〜ん、緊張するなぁ・・・。
と、スタート位置に列んでいると、見慣れた顔にばったり。
社長(←通称)だった。
実は社長(←通称)も、仁川のムーンテイルのチームで、本日参加だったのである。
全エントリー504名。 スタートは、三つの組に別れ、2分おきで行われるらしい。
そしてスタート!
とりあえず、必死でモガく・・・が、けっこう抜かれる。
しかし何とか、先頭集団に食らいついた。
一旦先頭集団から離される・・・それはこのレースの終わりを意味するのである。
微妙な上り坂ながら、時速40キロ以上は出ていたのではないだろうか。
何とか坂を登りきり、そこからしばらくは平地。すこし休憩モード。
集団に付いていれば、平地や下りは、かなり楽に走れるのだが、 しかし、そこに甘んじてもいられない。
次に来る登りに備えて、少しでも前に行っておかねば、次の登りで、すぐにチギられてしまうのだ。
サーキットというのは、思った以上に起伏に富んでいるのである。
と・・・しかし、そんなやり取りも、一周で限界だった。
最初の一周目までは何とかトップ集団に食らいついていたのだが、ホームストレートエンドのシケイン手前で、ついに脱落。
あとは、落ちていく一方だった。
結局、152名中103位。ゴールタイム29分47秒。平均速度35.19キロ。トップとの差3分56秒。
中級クラスを自負するロード乗りの中に入ると、僕なんか、まん中よりも遙か下であった。(涙)
これからは中級を名乗らず(って、別に名乗ってなかったけど。)、『初心者に毛の生えたようなモンです。』と、名乗るようにしよう・・・。
ヘトヘトでゴールしたあとは、今度は、エガガとアノ御方の『オープン1』である。
息も上がったままで、スタート地点に行くと、もう招集1分前を切っているというのに、ヤツらは列の最後尾でダラダラとくっちゃべっていた。
『何してんっすか!!ちゃんとゼッケン順に、列ぶところとか決まってるんっすよ!!』
と急いで送り出す。
だいいち、出発組が違っているのに(エガガは3組、アノ御方は2組)一緒の所に列んでいる事自体、理解に苦しむ。
ホームストレートエンドのシケインの先に向かい、応援の場所を確保。
間もなく、アノ御方がやって来た。
まだ、スタートして1分くらいしかたっていないのに、もうすでに、太ったオジサン方と3人ぐらいで最下位争いをしていた。
『いきなり最下位かーーー!!!』と、ゲキを飛ばすと、すぐ傍の、最下位争いをしているオジサン方も、苦笑。
いや、あなた方に言ったわけではないんですけどね・・・って言ってるも同然か。(笑)
(後でわかった事だが、このオープン1、別にオープンW1っていう女子の部があって、オープン1へのエントリーの女性は、実はアノ御方だけだった。最初はエガガと競わせればいいか〜と思ってこのエントリーだったのだが、その時は、組に分かれてのスタートだとは知らなかったのである。すまん。)
間もなく、3組のエガガ通過。
先頭集団からは、もうずいぶん遅れてしまっていたが、最下位にはまだけっこうゆとりのあるポジション。
しかし、こちらも、かなりキツそうである。
オープン1は、2周回なので、そのポイントで、次の周回を待つ。
2周目、アノ御方がやって来た。
最下位争いからは何とか抜け出せた模様で、けっこういい感じだ。
声援を送り、次のエガガを待つ。
(結局アノ御方は、178人中167位だった。ゴールタイムは27分29秒。これをオープンW1(女子)に照らし合わせると・・・58名中54位・・・どっちに出ても結果は一緒だったか?(笑) ←写真は、仕事中のキャプテンT野)
しかし、エガガはいつまで待ってもやって来ない。
一瞬、嫌な予感が頭をよぎる。
実は、ついさっき、僕の出ていたレースで、目の前で集団の中の落車を目撃した所だった。
自転車2台が宙に舞い、何処かのパーツが割れて飛び散り、どうやら4〜5台が巻き込まれた様子だった。
若干の下りだったので、恐らく40〜50キロは出ていたと思う。
そして、いつまでたっても、エガガはやってこなかった。
これは、まったくもってヤバイぞ・・・
というか、次の犠牲者はエガガだったか・・・やはり。(←なんとなく)
どう考えても最下位であろう・・・という選手を見送った後、薄暗い気持ちで、とりあえず、集合場所になっている、シマノブースへ向かった。
すると・・・何と、そこでエガガが、涼しい顔をしてドリンクをに飲んでいるではないか。
『H国さん!!(エガガの本名)こんな所で何やってんすか!!??』
『え?レースって、一周じゃなかったの?』
がっくし。
『なんでそんな事思ったんすか?』
『いや、アノ御方が、一周だって言ってたから・・・。』
脱力。
アノ御方・・いったい、何の根拠があって、そんな発言が出てくるのか・・・。
そしてエガガもエガガである。
もともと、ちゃんとスタート前のライダーズミーティングを聞いておけば、そんな事にはならないのだ。
が、どうやら、スターと前に出てくる、やたらと一段高いところから『気合いだ〜っ!!』とカツを入れてくれるオッサン(どこぞの会長さんらしい)に目が釘付けになり、エガガ自身、他のことはいっさい聞こえなくなってしまったらしい。(ま、気持ちはわかるが。)
間もなく、アノ御方登場。(本人はちゃっかり完走。)
一周発言に、みんなの非難が集中したのは言うまでもない。
気を取り直し、車にて鈴鹿のジャスコに行き、レストラン街で昼食。
午後からは、チームエンデューロである。
第一走者は、さっき、勝手に一周でレースを終えてしまったエガガ。
我がチームは、一人一周ごとでの交代の作戦を取ったので、 第一走者は、単純に人より多く周回する可能性が高い。
沢山走って、元を取りなさいと。
そして予定外にも、この目論見は、一周目で早くも達成される。
実は、第一走者は、強制的に二周走らねばならなかったのだ。(出走前のライダーズミーティングで発覚。恐らくピットの混雑を避けるためであろう。)
各チームの第一走者の猛者に揉まれて、エガガは二周目後半、足を攣ったまま、這々の体のピットイン。
第二走者はアノ御方である。
とにかく、この初心者二人を走らせようという作戦・・というか魂胆だ。
もうこの辺になると、コースには断続的に自転車が走行し、順位なんかはまったくわからない状態。
そして次の走者は、取材が忙しく、アップ無しでオープン2に挑み不本意な成績に終わった、選手件レポーターのキャプテンT野。
さすがに前の二人と違い、アッという間に一周を終え帰ってきた。(後日、このチームエンデューロは、T野の手により、チーム684のヘッポコ参戦記として、シマノのオフィシャルHPにアップされる事となった。これでいいのか?A奥氏。(笑))
そして、第四走者は僕である。
とりあえず、気楽な感じでスターとしたチームエンデューロなのだが、走り始めると、やはり頑張ってしまう。
早そうなニーチャンの後で、目一杯ドラフティングし、一瞬だが、前を引き、誠意を見せつつ、スマンもう限界じゃ・・・・と、苦笑いを浮かべつつ、後に下がり、しかし何とか、好タイムで一周を終了。
そんな事をもう1ローテーション繰り返し、そして、2時間にあと十数分と迫った所で、恐らく最終走者になるであろうエガガにバトンタッチした。
この時点で、エガガを除く他の3名は各自二周、エガガのみが三周を消化。(最初二周走ったからね)
そして、最終走者となった事で、エガガは4周目に突入である。
これで、もう十分、オープンの損は取り戻しただろう。(笑)
残りももう15分を切っているので、ヘトヘトのエガガがその前に帰ってくることはあるまい。
と思いつつ、ピット前でゴールの瞬間をカウントダウンしていると・・・何と、今、目の前を通過していくのはエガガではないか!!
なんだ知らんが、エガガ、頑張りすぎだ〜っ!!
(ちなみに、ピットロードは、レース終了5分前にクローズしてしまうので、もし、この間に帰ってきたら、もう一周しなければならないのである。)
エガガの頑張りに敬意を表しつつ、慌てて、『じゃあ、ゴールの写真を撮るか!!』とゴールラインへ走る。
そして、ゴール。
総走行周回11周、平均速度28.98キロ。
2時間エンデューロ4人の部、159チーム中74位。
エガガの、奇跡の快走により、何と、まん中より前の快挙(?)であった。
そして、 他のみんなは二周回なのに、エガガのみ、一人で五周回。(笑)
いやいや、お疲れさまでした〜。
隣接するクアガーデンで、温泉に入り汗を流し、恒例の花火へ。(ここの花火は、近くて大迫力。お勧めです。)
それから肉バカのキャプテンT野の提案で、バカの一つ覚えのように焼き肉を食い、帰阪。
レンタカーを返し、自宅に着いたのは、早朝4時半頃だった。
いやいや、皆さん、お疲れさまでした〜。
そして、無事で何よりでした。
次は能登で頑張りましょう!!
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